『3.11 明日の為に Pour demain』@フランス・パリ近郊ナンテール 内藤敬介さんによるレポート

2012年4月12日 木曜日

2012年3月11日
日本を遠く離れたフランス ナンテール(パリ近郊)で、「3.11 明日の為に」というイベントが開催されました。

このイベントのためニューヨークから映画「3.11 今を生きる」を携えて参加した 映画監督 我謝京子さんの現地レポートをmakenaizoneに速報として掲載しています。
こちらをご覧ください。

実は、このイベント パリで「千里の道」を立ち上げて活動している方々、そして 日本で「Arts to Hearts」というグループを立ち上げた方々が互いに協力することで実現したのです。

「千里の道」
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「Arts to Hearts」
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東京からパリへこの機会に参加した 内藤敬介さんのお話を伺いました。

当日の様子を伝える写真と解説も、内藤さんによるものです。

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今回のイベントは、パリ在住のケビン・ドッドさんや菊地早苗さんたちがおもにサイト発信による被災地支援アソシ エーションとして立ち上げたグループ「千里の道」他の主催で開催されました。

3/11へ向けて、ナンテール市や地元の団体協賛によるイベント開催の話が友人のデザイナーでパリに長く住んでいた町田栄子 さんを通じてありました。
私の大学時代の先輩である我謝京子さんのドキュメンタリー映画「3.11ここに生きる」の上映会、以前陸前高田へ一緒に旅をしたことのあった写真家荒川健 一さんの1975年の三 陸の暮らしの風景の写真の投影、今回の津波でお母様を亡くされた写真家畠山直哉さんのエッセイの朗読、まけないぞうの販売、その他被災地でつくられている 手芸品の販売などを、町田さんと私が日本サイドで 企画し、「Arts to Hearts」というグループを立ち上げ、参加しました。
我謝京子さんのドキュメンタリー映画『3.11 ここに生きる』の各地での上映と合わせて、「まけないぞう」の活動も世界に広がりつつあります。
フランスへも当初は40頭ほど持っていくことにしていま したが、「千里の道」のほうでたくさん購入して、今回の会場でもたくさん売れたということです。
これから、今後の活動の一環・シンボルとしてフランスで販売していく計画だそうで す。

2012.3.12.パリ郊外のナンテール市での震災復興支援イベント「明日の為にPour demain」を開催しました。
arts to+heartsとして、日本からドキュメンタリー映画「3.11ここに生きる」(監督・我謝京子)、「1975・三陸・暮らしの風景」(写真・荒川健一)、石巻の女性の手による、津波で流された着物で作る手芸品や、被災地の人々がつくる「まけないぞう」の出展などを行いました。
「まけないぞう」、阪神淡路大震災から続く、被災者参加型の復興支援プロジェクト。
使わないタオルを全国から募り、それを被災者の方々が「ぞう」のかたちに手仕事を施し販売。収益の一部が作り手へ支払われます。
今回は、100頭以上の「まけないぞう」がフランスの皆さんのところへ。
チャリティーイベントの風景。たくさんの地元の人々があつまりました。
石巻の縫い手さんによる人形、バッグなど。津波で流された着物を使って作っています。
縫製工場が津波被害に合い、これまでの仕事を失った状況がつづいています。
家や仮設でも出来ることからでもせめて、という思いの中での活動です。
今回をきっかけに、パリの雑貨屋さんでの販売も決まりました。
ニットでネットワークというところからのネーミング。いらない毛糸やセーターなどを募り、その毛糸から被災地の編み手さんたちが小物をつくる活動。ニットデザイナー三園麻絵さんプロデュースによる。  
被災地の動物たちへの支援活動の様子を伝える展示。
ドキュメンタリー映画「3.11ここに生きる in the moment」の上映館前にて、監督の我謝京子さん。フランス直前の台湾での映画祭のポスターを飾って。
上映前の会場風景。多くの地元の人たちが観に来てくれました。
写真家・荒川健一さんが1975に三陸で撮影した人々の暮らしの写真を大きなスクリーンに映写。当時の何気ない日常や海とともに生きる人々の姿を映し出す。今回の津波で母親を亡くされた陸前高田出身の写真家・畠山直哉さんのエッセイの朗読と合わせて。
映画は今回のフランス上映用に、パリに暮す日本人の方々のボランティアでフランス語字幕がつけられました。被災地で生きる女性たちの姿を追ったドキュメンタリーは、フランスの方々へも多くのメッセージが伝わったようです。上映後のディスカッションでもいろいろな議論が交わされましたが、フィルムに映し出されたそれぞれ人々への共感そして尊敬の念などが国を超えて共有出来たと思います。「風化させないためにも」と、我謝監督はこれから10年、撮り続けることを決心しています。

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