アパサラさんへ

2011年11月2日 水曜日

タイではまだまだ大洪水が続いていますね。
今年は世界的に低気圧の発達に異常が続いていて、勢力の強い台風がいくつもインドシナ半島に上陸して10月17日ごろよりタイ中部のパトゥムタニ県・北部が豪雨に襲われて、チャオプラヤ川が大氾濫を起こしました。

この洪水の模様をタイ地理情報宇宙機構のホームページ http://www.gistda.or.th/gistda_n/ で幾つか情報を見てみると、バンコクの周辺まで刻々と水が迫ってゆく様子が分かるページがあります。タイ語は読めないわたしですが、日付を追って被害が拡大する様子が、心にひしひしと洪水が迫ってくるような気がしました。

この洪水は、新聞などの解説によると、インドシナ半島では急速な経済成長によって森林伐採が進み、熱帯雨林が孟スピードで減少して森林による土地の保水力が減少した結果、大雨が降り続いて大洪水が起こってしまったということだそうですね。

日本列島は、列島の中心部が脊梁山脈といって、まるで背骨のように本州の中心部を縦走するように高い山が連なっています。本州にある川の大部分は、脊梁山脈から海に向かって流れて行きます。ですので自然と川は急峻な流れで海に注ぎます。
太平洋側は日本海側に比べれば比較的、勾配は緩やかな河川が多いのですが、それでも山と海の距離はごく近いので、大雨によって河川が氾濫しても、海までの距離が短いのと流れが急なので水が引くのも早いのですが、タイの川は海までが遠く流れがゆっくりなので、また今回は大潮も重なって海の水位が高かったため、なかなか水が海に達しないでいることも、被害が大きくなった原因だとのことですね。

日本のニュースでは、日系企業の工場地帯や首都バンコクの被害に報道が集まってしまいますが、異常気象によって低気圧が大きく発達して大雨が降り、森林伐採が進んだために土地の本来持っている保水力が低下したことによって、大きな洪水が起こるというメカニズムは、そのまま日本にも当てはまる共通の大問題である訳ですから、こういう問題を大学の研究者や気象学会等だけではなくて、多国間のいろいろなレベルで情報と対策を共有するようなシステムを作ってゆくべきではないかと、今回わたしは痛感しています。
なぜならば、これから先、世界は日本の放射能の影響を被ることになるでしょう。その時にいろいろなチャネルがあれば、きっと情報が偏らないのではないかと思うからです。

タイは日本とたいへん密接な関係である大切な大切な国です。その大切な友人である国が今、大きな被害にあっています。
3.11で日本の発電システムが壊れたとき、一番始めにタイ国が発電機の提供を申し出てくれたことをわたしは決して忘れてはいません。

あの3.11のあと、わたしはmakenaizoneというまけないぞうの応援団を結成しました。このmakenaizoneの仲間にタイ出身のメンバーであるアパサラさん、あなたをお迎えしました。
先日、メールでご実家のあるバンコクも被害が出ているということを伺い、お母さまは無事だけれどもご実家も浸水に備えて一階のものを二階に運んで大変な状況であること。また、アパサラさんが今後のタイの衛生状況などに胸を痛めていらっしゃることなどを伺い、何とかこのまま被害が小さくなる事だけを祈っているわたしがいます。けれども、何一つお手伝いできないでいるわたしがここに居ます。
アパサラさん、何かあればどうぞどうぞ、遠慮なくわたしに向かって何でもいいですから発信してください。

今はまだ、大してお手伝いもできませんが、何しろタイはぞうさんの国です。まだまだ水害は終わりを告げていませんが、もしかしたら来年の今頃は、バンコク産のまけないぞうがパリやシュトットガルドの街角に、ちょこんと置いてあるような、そんな光景がふと見えるような気がしませんか? 
そうですそうです、アパサラさんと村井さんのコンビで「まけないぞうバンコク講習会」などができたら、なんて素敵な事でしょうか。そんな日を願っていれば、いつかは叶えることができるのではないか、などとひとり合点をしている東京の午前3時なのであります。


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