あれから2年。私たちの想像を超える、苦悩と不安が、笑顔の裏に潜んでいるようです

2013年3月13日 水曜日

みなさん、被災地NGO恊働センターの村井です。
あれから2年、ほんとにみなさまには、言葉で言い表せないほどのご支援を頂きまして心から感謝を申し上げます。
阪神淡路大震災から18年続けて参りました「まけないぞうプロジェクト」も、3・11直後から岩手県大槌町の一つの避難所からはじめ、現在では大船渡市、釜石市、陸前高田市、大槌町、そして宮城県では気仙沼、石巻、福島県は南相馬市、山形県米沢、千葉県旭市と作り手さんは広がってきました。各々の地で、一人ひとりの被災者が一針一針精魂込めて縫い上げながら、ある人にとっては津波で亡くした愛する人の分身のように向き合い、またある人は子どもさんやお孫さんの生まれ還りとして、大事に大事に傍に置きつつ、最後は嫁に出すがごとく支援者の所に出されています。
まけないぞうと向き合うことは、そこに各々のかけがえのない生きざまと向き合うようなものでしょうか。私たちの想像を超える、苦悩と不安が、笑顔の裏に潜んでいるようでございます。
でも、それはきっとまけないぞうを手にした支援者、タオルを送って下さる支援者,またタオルの仕分けをして下さっている方々へ届くメッセージの行間ににじみ出していることと思います。
私たちは、こうした被災者の”痛み”と向き合いながら、やがてさらに被災者との寄り添い、つながりへと具現化しているように思います。
先日岩手県遠野市長のお話を聞く機会があり、そこで市長が言われた次の言葉が印象的でした。
「心は見えないけど、心遣いは見える。思いは見えないけど、思いやりは見える」と。

さて振り返れば、阪神淡路大震災から丸2年を終えた頃というのは、まだまだ目の前の暮らしをどのように立て直すかということに精一杯で、住宅再建のための公的支援もなく、不安を抱えながらの3年目を迎えるという厳しい事態で、今、東日本の被災者の置かれた状況と大きく変わらない状況でした。
しかしながら、神戸の教訓がなかなか生かされず、歯ぎしりをしている日々でございますが、あくまでも復旧・復興の主役は被災者自身でありますので、寄り添い、見守り続けることだけは忘れず、まけないぞうプロジェクトを通して、みなさまと被災者とをつなげる役割を担って行きたいと思っております。

さまざまに至らぬところがあろうかと思いますが、今後ともご支援の程よろしくお願します。
なお、6月以降は、2年にわたって東京に出向させていたスタッフも神戸に戻り、足湯ボランティアなど被災地支援のプロジェクトを継続して担いながら、事務局の核として働く所存でございますので、あわせてよろしくお願い致します。
長くなって申し訳ありません。


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