神戸を訪ねました(2)「タオル仕分け隊」 TPOデイスプレイズジャパン(株)Chimei Innolux の中川さんと家藤さん

2012年1月25日 水曜日

(makenaizoneHP編集長の田中幸子の「神戸訪問レポート」の続きです。)

1月16日午後 「まけないぞう」の「タオル仕分け隊」の作業場所を訪問しました。
TPOデイスプレイズジャパン株式会社Chimei Innolux の社屋は、神戸市西区の広々とした地域にあります。新開地の被災地NGO恊働センターの事務局から車で30分ぐらいのところです。途中、イチロー選手の活躍した野球場などが見えます。
車中では、村井さんの話を聞きながら・・・そして増島さんと村井さんの「かけあい漫才」みたいなやりとりを聞きながら 移動です。何と贅沢な!!!^^¥

村井さんの話では、西区は95年当時、既に新興住宅地としてマンションなどが出来つつあったところだったそうです。そういう地区のグラウンド等を利用して仮設住宅がたくさん建設されたのです。そのため、被災して仮設住宅に住んでいた人たちと 新興住宅地で無事であった人たちのあいだに格差があり、仮設住宅の人たちにとっては、この格差が辛かったということです。
途中まで家藤さんが迎えに出てくださり、無事到着。

初めてお目にかかる家藤美仁さんと中川卓宣さん。
これまでTwitterやメール、Facebookを通して 家藤さんから「仕分け隊」のお仕事の内容や どんな気持ちで取り組んでおられるのかをうかがってきました。
中川さんのお名前はいつも拝見しながら、お話を直接伺うのは初めてでした。
感激の面持ちの田中です。

お昼休みの時間を利用して「仕分け作業」の流れを説明してくださいました。

(1)倉庫に届いた各地からのタオルの荷物を、家藤さんが昼休みに取りに行き、台車にのせて「ごろごろ」と運んで 上層階のこの広い部屋へ持ってきます。
(2)そして、業務終了後の夕方の時間 約5名ほどの方が集まって「タオルの仕分け」作業を黙々と進めるそうです。
(3)白いタオル、柄や色無地のタオル、練習用に使うタオル、そして まけないぞうには適さないタオル というふうに分類します。
(4)仕分けを完了したタオルが60枚ずつ箱に詰められ 番号がつけられて、整然と集積されています。
増島さんたち被災地で作業をしている人たちと「仕分け隊」、「被災地NGO恊働センター」のあいだでタオルの在庫状況についての資料をオンラインで共有しており、必要が生じるたびに現地へ発送します。
(5)増島さんは受け取ったタオルを、「○○の仮設住宅のぶん」「△△さんのところへ届けるぶん」というふうに 毎週火曜日の午前中に仕分けをして、それぞれの「作り手さんグループ」のもとへ届けます。このようにして、材料を渡すと同時に、出来上がった「まけないぞう」を受け取るという流れになっています。

仮設住宅や現地の拠点では、大量のタオルを集積する場所がとれないために、「仕分け隊」との緊密な協力でスムーズに荷物を流していくことが不可欠で、そのため 「仕分け隊」と被災地NGO恊働センターのあいだで、オンラインでデータを共有しているそうです。
こうしたロジステイックのご努力も、「まけないぞう」さんたちを支えているのですね。
田中は目からウロコ状態。
(6)送られてくるタオルのなかには、サイズが全然違う、少し汚れがついている、中古などの理由で「まけないぞう」に適さないものもあります。
それはまた、野宿生活者の支援をしておられるNPOなどの団体へと送られて、洗濯代の捻出が難しい方に使っていただけます。
全国から寄せられる善意のタオル・・・「余すものはないと思っています。気持ちのこもったタオルなので、気持ちを大切に、できるように、使っていただけたらと思っています。」と言われる家藤さんたちです。

中川さんのお話を伺いました。

「神戸の人たちは東日本の被災地の人たちのために何ができるんだろうと考えて、最初は物資を集めて送るというようなこともやっていたのですが・・・
いろいろ探していたら被災地NGO恊働センターさんの まけないぞうにつきあたって、これだ!ということになりました」
「仕分けはほんと単純な作業なんですよ、黙々とやるという感じです。
だから、ぞうさんを作る人たち、買ってくださる人たちとのつながりを感じなければ、ほんとにやっておられませんよ〜」

家藤さん
「倉庫に荷物が届いたときに、受け取っておいてくれる倉庫の係のひと、
仕分け作業で出たゴミをちゃんと片付けてくれるひと・・・ 仕分けに直接参加していなくても、社内にいろいろな部署で支えてくれる人たちもあるから続けられるんですよ、ほんとありがたいです」

    *******

被災地の方たちを現地で支える増島さんたちの仕事のため、材料のタオルを送り完成品のぞうさんを受け取るしくみがあり、被災地NGO恊働センターの神戸で働いているスタッフの方たちの力がその「しくみ」をまわしていて・・・全国のいろいろな所から「まけないぞう」になるタオルを送ってくださる人たちがいて・・・「仕分け作業」をこつこつ続けている人たちがいて、その人たちの仕事ができるように後ろから支えている人たちもいて・・・
そうやって作り手さんの手元に届いた平らなタオルが、「まけないぞう」さんになって各地へお引っ越ししていくのですね。

その大きなつながりの輪のことを考えると、何と多くの人たちが関わって、まわっている「しくみ」なんだろうかと不思議に思えます。
だからやっぱり「まけないぞう」は、特別パワーがあって 皆に力を分けてくれるような存在なんですね・・・☆

「まけないぞう」は全員が まだ作り手さんの手で「ぞうさん」のかたちになる前の「平らなタオル」の時代に、ここの「仕分け作業」の場所を通って来たのですよね・・・そう思ったら、なんだか殺風景なこの部屋が懐かしい場所のように感じてしまいました。

家藤さんとは古い知り合いのような気がしているけれども・・・顔を合わせたら なんか気恥ずかしくて・・・ろくに言葉もかわせなかったような。^^;;;;;
帰ってきてから「ああああ〜 家藤さんのお話をもっと伺えばよかったなあ〜」と思ってしまった田中でした。
「きっとまた会う日がありますよね? また会えますよね。」
「うんうん。ほんま、ぼちぼち、いきましょね。先は、ながいですよね。^^」
「ぼちぼちでね。これが大切ですよね、ぼちぼち、いきましょうよね、どうぞよろしうおねがいいたします☆^^」

今回は、お忙しいところを誠にありがとうございました。


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