照る日があれば、降る日もある。

2011年9月21日 水曜日

わたしには夢があります。この世から、痛みという痛みをなくすことです。
けれどもその夢が叶わないのなら、せめてたった今困っている方々の、その痛みに寄り添うことはできないだろうか、と。

もしも知性というものがあるとすれば、それは沢山の知識を持っていることでも、論破されることのない鉄壁な理論を有することでもなく、誰かの気持ちを立場を痛みを、「想像」することではないかと、わたしは思っています。
想像して、その瞬間に寄り添うことができれば、それこそが本当の知性であるとわたしは思っています。

この春、東北を襲った震災は、まだまだその傷跡が消えることはありません。
行方不明の方々も未だ沢山いらっしゃいます。
生まれて来た者はいつかは必ず死ぬと分かっていても、それが行方不明という転帰を辿るなど誰が想像していたでしょうか。
同時に沢山の大切な人を失った悲しみ。生まれ育った故郷を、ある日突然捨てなければならなかった苦しみ。
そんな想像を絶する体験をなさっている方々に、わたし達は何と声をかければいいのかすら分かりません。
けれども、きっといつか、また立ち上がって歩くことができる日々が訪れる。そう信じて、少し遠くから寄り添うことができれば、と、わたしは願っています。

被災された方々の中には、まだまだまけないぞうを作る作業ができない方々も、きっと大勢おられることでしょう。
あるいは、今日は少し針仕事ができたとしても、続けてはできない方々もおられると思います。
復興への足取りは、一人一人違うに決まっています。照る日もあれば降る日もある。降りつづく日もあります。
少し遠くから寄り添うことは、時間を区切らずに長くお付き合いをしてゆくということだと思っています。

ところで、そんなわたしの想いにぴったりだったのが、まけないぞうでした。
少し遠くから、それぞれのペースでゆっくり寄り添うことができるのが、まけないぞうの素晴らしいところです。

もう一つ大切なことがあります。
被災された方々とわたし達・サポーターを結んでくれるのが、村井雅清さんをはじめとした被災地NGO恊働センターのスタッフの方々。また、神戸のタオルの搬入・仕分けをしてくださっている、神戸のボランティアさんたち。
makenaizoneを支えてくれている、zoneのメンバーや、webの担当をしてくれているスタッフさん。
そうして何よりも、まけないぞうを応援してくださっている世界中の方々の、そのどの方々が欠けてもこの活動は止まってしまいます。

時に小さなトラブルがあったとしても、わたしたちは大きな可能性を信じて乗り越えてゆくことでしょう。
照る日もあれば降る日もある……まだまだ長い航海は始まったばかりの、小さな小さなmakenaizoneですが、どうか被災地に少しづつ笑顔が増えることを信じて、ご一緒に旅をしてゆければと願っています。

改めまして、どうぞよろしくお願い致します。


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