六日午前八時ぞ蝉よ鳴きやむな

2012年8月6日 月曜日

今日は67回目の広島の原爆忌である。
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1945年8月6日、午前8時15分。
人類初の原爆実験に使われたリトルボーイと名付けられたウラン型の原子力爆弾は、広島県広島市の上空で爆発をした。
9日の長崎と共に、日本は2つの原子力爆弾を受けてから実に67年が経った。
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戦争は勝っても負けても、犠牲になるものが多すぎる。だから絶対に戦争を繰り返してはならない。
あの戦争の、あの広島忌、あの長崎忌のその後に、私たちの国は「核の平和利用」という名のもとに、54基もの原子力発電所をもってしまった。
そうして、そのうちの4基が東日本大震災に因って崩壊し、広島原発の何百倍もの核汚染をまき散らしてしまった。
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原子力発電という名の「核抑止力」など、私たちは要らないではないか。
原子力発電という名の「環境破壊」など、私たちは全く要らないではないか。
原子力発電という名の「故郷喪失」など、私たちは考えてもいなかったではないか。
原子力発電という名の「一家離散」など、私たちは誰も考えてもいなかったではないか。
原子力発電という名の「責任放棄」など、あってはならないではないか。
原子力発電という名の「差別や偏見」など、絶対に許してはならないではないか。
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どうして私たちが、これまで原子力発電を許してきたのか。その理由の充分過ぎる答えが、8月6日にあるのではないのか。
だからこそ、私たちは絶対に、この日を忘れてはならないのだ。
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六日午前八時ぞ蝉よ鳴きやむな アーサー・ビナード
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そう。いまこそ、私たちは、決して鳴き止みはしない。


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