石巻の仮設団地 まけないぞうの講習会が新たな出会いの場になっています

2011年11月9日 水曜日

みなさん、”あくろっしゅとわー”村井です。

石巻に行って来ました。石巻へはこれで3回目なのですが、それが偶然2回目の講習会に来られていた人たちと同じ仮設団地なのです。と言ってもこの団地は、石巻総合運動公園の近くで、「石巻トゥモロービジネスタウン」の敷地に建設された仮設団地です。同じ仮設団地といっても、実は14のブロックがあり、先日講習会をしたブロックとは離れています。ここだけで80戸ほどあり、みなさんいろいろな被災地から引っ越して来ておられます。それでもここのお世話をしているお父さんが、「いろいろなところから来ているから、いいんだ。いろいろ勉強になって・・・。」とほんとにやさしくおっしゃって下さいました。ともすれば集落が違うと、なかなか交流がないところを、こうして温かく受け入れる場をつくっておられることに「あ〜、いいなぁ!」と思いました。こうして確実にまけないぞうの講習会が新たな出会いの場にもなっています。
今回窓口になって下さったのは石巻市渡波(わたのは)の幼稚園の先生です。仮設のみなさんにお声がけをしてくれ、8人が集まってくれました。それに仙台から車で1時間ほどかけて合流して下さった方を含めて、にぎやかな講習会となりました。
その仙台の方は、針を動かす手が凄く早くて、しばらく「ホーッ!」とみなさん見とれていました。この方は、即戦力?になるでしょう。

一応教える側の私も回を重ねるごとに上手?になり、「先生、やっぱり上手!」と誉められると嬉しくなります。まさか講師が男性とは思わず、まずびっくりされるのですが、もの凄く利点もあります。それは、最初はみなさん「ほんとに私できるかしら??」と不安になるのですが、「大丈夫ですよ、こんな私でも出来るのですから・・・・。」と言えば、納得してくれるのです。ちょっと悔しいけれど、一頭目を作り終わるまでは、私のことを「先生!先生!」と言ってくれるのですが、必ず二頭目には、私より上手な方が出現し、その方を「先生!」と呼ぶようになります。
「あれ、鼻が無くなったじゃない?」「この耳左右が違う!」「こんどはいい感じの頭になったね!」などとワイワイいいながら、講習会は終わりました。
帰り際に「私できるかしらね・・・・・。難しいわ!」と言っていた方に、先のお父さんが「大丈夫だよ!人間十人十色のように、ゾウもいろいろな顔があるさ。それも愛嬌だから・・・・」とやさしく声をかけておられました。

このお父さんの家は、津波で流されなかったものの天井裏まで水が入り、結局つい先日解体したそうです。この家は祖父が建てられたのですが、写真を拝見させて貰うと、ほんとに立派な「けやき」の材を柱から鴨居から、これでもかこれでもかというほど贅沢に使っていました。このお父さんは解体した中からケヤキを加工して仮設の中のベンチを造っているのです。「そのまま、瓦礫としてどこかに持って行かれるのは寂しくて・・・・」とおっしゃっていました。「またここで再建されるのですか?」と尋ねたら、横からお婆ちゃんが、「もうあそこは怖い!」と言ってました。
渡波の地区は、チリ地震のときは被害がなかったそうです。前回石巻に来たときに、この渡波は少し廻っていたのですが、ここは「かき種」で有名なところで、全国のいろいろなところにかき種が広がっているとのこと。「かき種」を育てているお店の話を聞こうと思って探すのですが、なかなか出会わないのですね?また次回挑戦します。
さて、9人の中から何人があきらめずに作り手さんとして残ってくれるでしょうか?
最近、仮設団地にも「雑巾ぬい」「布草履づくり」「アクリルたわしづくり」「ミサンガ」「パッチワーク」などなど、内職を持ってくるケースが増えているようです。最初はまけないぞうづくりは、「難しいなぁ」と思い、諦める方も多いのですが、中には他の内職をしていて、「やっぱりぞうさんがいいわ!」と戻ってきてくれる方もいます。
私も「まけないぞう!」です。
まけないゾーンのみなさん!温かく見守って下さいね、バイバイ!

PS:この前の大阪での講習会のレポート、早速講習会に来られていた人がまけないゾーンのHPを見て、ご自分のブログで紹介してくれたそうです。ここ なので40人ほど登録している県外被災者の方々に伝わりました!!


ページトップへ Top of page