2014.8.5

2014年8月5日 火曜日

8:00  31℃

朝からピーカンで、とんでもない暑さになった。
足の怪我であまり歩けないし、外来も空いていたので、珍しく午前中から新聞を読んでいた。
8月から東京新聞も電子版にしてみたのだが紙も取っているので、紙の東京新聞新聞から眺めて、iPad mini で朝日新聞を眺めていたら、従軍慰安婦の記事でつくづくipad miniの限界を感じた。
前にも何度も書いたが、わたしはiPadと相性が悪い。2泊ぐらいの旅にゆくなら、Macbook air とiPhoneだけで充分。
Mac党の新しいもの好きなので、iPadも発売直後から持ってはいるが、しかも実は仕事にも居ると何台も持っているのだが、未だに使い方が分からない。テクニック的なことではなくて、あの大きさと重さが自分にとって不要なのだ。
最近、新聞を電子版にして、ようやくiPad miniを持って歩くようになったのだけれども、ま、新聞も読もうと思えばiPhoneで読めちゃうし、要するに、好きじゃないんだなiPadが。
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で、朝日新聞の従軍慰安婦についての新聞記事が目に飛び込んできた。
よく読めば、一面にしっかりと編集者の意図が載っているのだが、ここをきっちり読んで咀嚼していないと、紙の読者は急いで16・17面までめくってしまうのではないだろうか。
電子版だと本当に何というか臨場感というか、ページめくって読んでるぞ、こんな大きな特集になっているのか感というか、そういう実感がない。その分、冷静に読み進めるのかもしれない。
16・17面までめくってみる。ここは紙だと見開きになっているんだろうなぁ、などと想像しながら、文字を拡大して読むのだが、読み難いこと極まりない。
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こんな読み難くて、内容がまた分かり難い。何回か読まないと咀嚼できない。これってすごく誤解をまねく書き方なのではなかろうか。
よく言えば、朝日新聞は読者を信頼し過ぎてやしないだろうか。こんな暑い日に、読者は何度もこの記事を読み直すだろうか。
読者というのは、もっとラフに新聞を読んでいやしないだろうか。
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案の定、夜のBSプライムニュースでは、さっそく桜井よしこ氏が鬼の首をとったかのように、誇らしげに「朝日新聞の間違った報道が日韓関係悪化の元凶であり、32年にも渡って虚偽をふりまいた朝日新聞の罪は重い」というようなことを言っていた。
桜井さんの認識は、まったく間違っている。しかし、この記事は桜井さんのような人たちを活気付けてしまったに違いない。
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証言した人の内容が事実と違っていたにしろ、従軍慰安婦という制度そのものが、いかに大きく人権を侵害しているものなのか。集団で人を殺すという狂気に曝された男たちの今生で最後になるかもしれないという異常な状況の中での、セックスの相手をしなくてはならなかった女性たちの、その壮絶な状況をなぜゆえ想像できないのだろうか。
「従軍慰安所」に連れてこられるに当たって、その「彼女」の同意があったか無いか、強制であったか否かなぞ、彼女たちが受けた人権侵害にどれほどの違いがあるのだろうか。もしも同意であったとしても、戦地から彼女たちは逃れられなかったはずではないか。
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狂気に曝された兵士たち、医学的に言えば、交感神経がずっと興奮し放しになっているような状況下にある戦場の兵士たちの相手を、朝から晩までする女性の一日の生活を考えてみたことがあるのだろうか……そんな事を考えもしない、どんな事があっても責任も取らない組織であった内務省・大本営だからこそ、未だにこれだけの大きな事実を認めないのだろう。
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あの戦争で始まった、この国の取り返しがつかない「集団的無責任主議」の酷さ。
それが未だに続いているこの国。東電の事故も全く同じカラクリだ。
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ところで、この国ではメインストリームに乗った男たちは、かなり大きくマズイことにならない限り、その負の責任は取らなくてもよいシステムになっている。
が、ひとたび負の事象が大きく回り始めると、たった一人に誹謗と中傷と責任がかかってくる。すると、結局、死ぬしかないのだな。科研の笹井氏のように。
朝日新聞の記事を読み返しているうちに、科研の笹井氏の自殺の一方がiPad miniから流れてきた。笹井氏を決定的に追いつめたのは「NHKスペシャル」だったに違いない。
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何はともあれ、心がザラザラした一日だった。


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