2014.8.25

2014年8月25日 月曜日

夏休みに友人が軽井沢に持ってきたマンガ「アドルフに告ぐ」手塚治虫作を読んで(自分は生まれてこの方、長編のマンガを読んだ事がなく、というかあんまりマンガが得意では無かったのだが、今回はiPadにダウンロードして読破してしまった)、その後ヒトラー特集のテレビを見たりして、ここのところちょっとしたヒトラーのマイブームになっている。
ヒトラーだけではなく、その周辺の時代に何があったのか。もっともっと知りたい。
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という訳で、昨晩、FIグランプリを見て眠りにつこうとしていたら、そのままBSのどこかのチャンネルで、ケイト・ウィンスレット主演の「愛を読むひと」がやっていて、ついつい午前3時過ぎまで惹き込まれて観てしまった。もうケイト・ウィンスレットがめっちゃ良かったし、最後の20分間がまた、現代アメリカを象徴する設定になっていて秀逸だった。
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話しは1958年から1955年までの、ドイツ人の男性の半生を描いたものなのだが、ケイト・ウィンスレットとレイフ・ファインズが演じる女と男の、個人の力ではどうにも抗うことができなかった孤独な人生が、観る者の胸に突き刺さってくる。
ドイツは戦後長い間、自分たちでユダヤ人虐殺のことを総括していて、それが戦後になっても身近かな人が裁かれていなんだなぁ、きっと多くのドイツ人が、戦後もずっと戦争の責任を個人の感情の中に背負って、ヨーロッパ大陸の中で生きてきたんだなぁ。と。
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日本はその間、いったい何をやっていたのだろう。
かなりリベラルな本屋さんでも、嫌韓・嫌中の本が平積みになっている現在、ドイツではそういうのは決して無いだろう。
いや、あれだけイスラエルが米英とイケイケで、中東でどんなに非情なことをしようとも、ドイツはたいへんクールに構えている。本屋さんに嫌ユダヤの本が平積みなんてことは、まず絶対にないだろう。
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ここのところ、心の中で怒りの中心のモワモワした塊が、映画「愛を読むひと」を観たら、とてつもなくやるせなくなってしまった。何やっているのだろう、この国は。
今宵もドイツと日本のあきれるほどの差を感じながら、モワモワが止まらないのだ。
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