2013.8.5

2013年8月5日 月曜日

今朝の朝日新聞、福島第一原発で働いていた原発作業員のうち、事故から9ヶ月間での作業で10000人もの人々が、白血病の労災認定基準である年間5ミリシーベルトの値をオーバーしていたことが分かった。

つまり、事故から今日現在で29ヶ月経っている訳なのだが、初頭の9ヶ月だけで10000人が、いつ白血病を起こしても不思議ではなく、もし白血病になれば事故処理との因果関係があるので、労働基準法に則り「労災認定」がなされる値の放射線を浴びたということなのだ。

わたしは、痛みの専門の医者として、労働基準法に則った「労働災害」による痛みを拝診することも多々ある。
痛みの場合、骨折とか四肢の切断とかのように、客観的な診断が容易ではないので、因果関係が証明出来ないとして、しばしば労災認定が降りないことがある。

労働基準法に則った労災認定というのは、それほどまでに「労働」と「疾病」の間に確固たる因果関係の証明が求められるものなのだ。

だからこそ、この年間5ミリシーベルトを10000人もオーバーしているという報道に、わたしはたいへん驚いたのだった。

もう一度言おう。労働基準監督署が規定している白血病のデッドラインを超えている作業員が、初頭の9ヶ月だけで10000人も出ているという厳然たる事実が、今頃リークされたということは、何を意味するのだろうか。

もう隠し通すことができないほどの人々の血液に、何らかの変化が起こっているということなのだろうか。

ともあれ、これから何十年も何百年も作業は続くのだ。
労働基準法の名に於いて、しっかりと原発労働者の健康とひいては人権を、しっかりと把握して守っていかなくてはならない。一刻も早く、このブラックボックスの中身を透明にしてゆかねばならない。
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