2013.6.19

2013年6月19日 水曜日

今日、原子力規制委員会が原発の新規制基準を発表した。これを受けて、政府は止まっている原発を順次、再稼働してゆく方針らしい。だが、ちょっと立ち止まって考えてみなくては、と思う。
未だ福島第一原発の被害が全く確定していない。被害者の保障も先が見えていない。毎日毎日、汚染地下水の増加に歯止めが効かない。

なのにもう終わったかのように平然を装って止まっている原発を動かすのであれば、国は私たち国民にしっかりとした説明をするべきではないか。
「日本政府は原発を動かしたいのだが、国民はどう思うのか」と堂々と私たちに問うべきではないのか。
問われた私たち国民は、この問題をしっかりと考えて議論を尽くさなければならないだろう。

で、その少ないチャンスの一つが夏の参議院選挙ではないのか。
マスコミの世論調査によると参議院選のイシューは、相変わらず経済問題に終始する。しかしそれは本当なのだろうか?
景気は悪いより良い方がいいだろう。しかしバブルのようにいつかは弾けとんで、飛んだら何もかも失ってしまうような状況を、全ての国民が望んでいるとはどうしても思えないのだ。

この地震多発期の時代に、まだ「原発ありき」で行くとどうなるのか。そんな先の事をまるで考えていない人々は、わたしに言わせれば「無責任」で「無関心」で「無知」の塊だ。そんなのは知性ある大人とは言えないではないか。百万が一、それが「福島前」であるならば仕方もないだろう。しかし私たちは、たった今、「福島後」の日本を生きているのだ。あの事故の一部始終を目撃して尚、原発の必要性を心底望む人々はわたしの周囲には驚くほど少ない。あなたの周囲もきっとそうであるはずだ。耳をそばだててみて欲しい。

で、反対の理由は、原発立地の地域でなくとも、私たちの国は大きな被害を被ったからではないのか。放射能汚染はまだまだ続いてゆくのだ。子や孫の世代まで脈々と続いていく事だろう。
だからこそ、今を生きる私たち大人は、原発問題にもっと責任を持って当たってゆかなくてはならないと思っている人々が実はどんどん増えている。

参議院選挙のイシューをアベノミクスとするのか否かは、だから、ほとんどマスコミの誘導にかかっていると言っても過言ではないのだ。
原発問題では長らく続いているマスコミのミスリードが、私たちの「無責任」や「無関心」や「無知」を生み出してきた。だからこそ今度こそ、勇気あるマスコミがしっかりと問うて欲しいのだ。

ひとり一人の記者が、既にもう気がついている「次の災害への準備」として、たった今何をしなければならないのかを、今こそテーゼする時がきているとわたしは思う。

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