2013.6.6  その2

2013年6月6日 木曜日

じぇじぇじぇ、ログインできる! ログインできている間に、福島の事故当時18歳以下の36万人の健診を受けた子ども達12人に甲状腺癌が、疑いが15人になったというニュースについて。
5日の共同通信の発表がほとんど大きなニュースにならないで、6日になった。
地元福島県の2大紙は5日に発表したものの、一面トップじゃないし、福島県立医大での記者会見だろうに、共同通信の記事を掲載していたという「鈍感」ぶり。

しかも、この現象を「県民健康管理調査」の検討委員会では、「現時点では放射線の影響を明らかに示すものではないと理解している」といっている。

わたしは甲状腺専門医でもなんでもない。呑気な中年の町医者だ。
「県民健康管理調査」の検討委員会のエライさんとは、医者としても科学者としても雲と泥ぐらい違う。

しかし、いくら呑気な泥の町医者でも、こんな具体的に癌が多発しているのに「放射線の影響を明らかに示すものではない」とは到底思えない。
検討委員会のエライさん方が、「予防原則」というものをご存じないはずがない。どうして、予防原則の立場に立って子ども達を守ろうとしないのだろうか。

私たち人間の作り出してきてしまった「科学」には、必ずしも光だけがあった訳ではなかった。時には光を帳消しにするぐらいの暗黒があったのではなかったか。
だからこそ、科学の進歩に伴って人の健康や環境に重大かつ不可逆的影響を及ぼす恐れがある場合、科学的に因果関係が十分に証明できなくても被害を防ぐように措置をしようと、1992年のリオで宣言されたのではなかったか。

医学論文や科学論文は、一言でいえば統計の世界だ。それを国際的に評価する幾重の決まり事がある。
わたしは今、そんな事を変えろなどと言うつもりはない。統計の精度が悪いものなど、真っ当な評価に値しないことは重々承知している。
しかしたった今の日本では「予防原則」に則って、現状を評価して素早く動くことこそ、真の科学者・真の医学者のすべきことではないのだろうか。

誰がどんな理由でためらっているのか、わたしごときが知るよしもない。
けれども、「予防原則」において、科学的裏付けの不足を理由に対策を遅らせてならないことを、もう一度日本の科学者・医学者は肝に銘じなければならない。そうして、その国の経済の許す限り真摯に向き合わなくてはならないということを、あらゆる人々の命と尊厳を守る人権を守るという見地に立って、作られたということをもう一度思い出す必要があるだろう。

それから、マスコミよ。アベノミクスで株価がどうなろうとも、そんなことより万倍も重要な提言を、無知で臆病な科学者や医学者に、たった今発信することこそが、あなたたちの急務であろうや。
IMG_4104


ページトップへ Top of page