2013.4.22

2013年4月22日 月曜日

4月22日、新潟県の泉田裕彦知事は原子力規制庁を訪れて、原発事故を検証する新潟県の技術委員会による「福島第一原子力発電所事故を踏まえた課題~平成24年度の議論の整理~」を手渡した。その時に怒りに震える泉田知事のニュース画像が流れて、思わず自分にもビリリと緊張が走った。

あの日、あの311の地震から始まった、福島第一原発の事故への対策(意志決定の最高会議)は、福島原発、官邸、東電の対策本部の3地点を電話会議で結んで行われていた。が、このやり取りを全てリアルタイムで見聞きしていた人があった。それが泉田裕彦新潟県知事だった。
つまり泉田知事は、この事故に関して、おそらく最も詳細に事態を把握し情報を持ち、そして誰よりも最も冷静に事故の推移を見守った人だったに違いない。
そこで彼は気づいたのだ。このままでは、新潟でも同じように事故が起こるであろうと。

泉田知事が原子力規制委員に手渡したものが新潟県のホームページに公開されていた。
http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/435/50/130329_kadai,1.pdf
一読して、全ての事項に大きく納得できる、たいへん素晴らしい内容だ。そこには国会事故調、政府事故調、東電事故調、NHK事故調などのどの事故調査委員会にも無かったシンプルで堅実な視点がある。
この期に及んで原発の再稼働などあり得ないとは思うが、原発の安全性を規制する立場だというのであれば、この内容を全ての原発に、直ちに適応するがいい。そんな最低限のことも行わないで、再稼働の議論をする資格は規制庁には全くないはずだ。

「福島の検証もしていない、行政機関の話も聞かない、現場の声も聞かない、そんな安全基準がどうして役に立つと思うんですか!」規制庁に出向いた泉田知事は、そう言って長官をバッサリと切り捨てた。

今夜も寒さがぶり返すが、この言葉の重さを、じっくりと噛み締める晩だ。
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