ドクター青木のぞうさん日記

makenaizone主宰の青木正美が、自分の生活の中でできるボランティアとは何かを考え、実行してみよう、そんな四方山話を綴ります。
Dr Aoki's Prescription...

2013.4.7

2013年4月7日 日曜日

今日はメイストームが列島を通り抜けた。
2つの低気圧が発達しながら、970hPaにまで気圧が下がった。大荒れのはずである。
すると福島第一原発はどうなっているのだろう。
ここのところ、ずっと汚染水の漏れが続いている。
第一、全てが仮設、しかも競争入札なので安い建材を使っての突貫工事の現場なのである。
こんな悪天候で、何も起こらない訳がないではないか。
心配で心配で仕方が無いのは、わたしだけなのだろうか。

今日は溜まっていたUstreamやニコニコ生放送などの動画を一気に観た。
NHKを辞めた(実質やめさせられた)堀潤さんのニコ生。
津田大介氏の突っ込みに明るく応えていたが、思ったよりも淡々として、新しいメディアを創ってゆくという希望が感じ取れた。
あまり悲壮感を持たないで萎縮をしないで、頑張って欲しい。

福島から発信を続けているフリージャーナリストの藍原寛子さん。
昨年の秋に飯館村をご一緒した時もそうだったが、どんな時でもずっとカメラを回している人だ。
独立系のネットメディアでの福島の現状報告の画像に藍原さんの解説が加わると、本当に説得力が増す。

デモクラTVが4月6日に始まった。
司会の内田誠さんは善戦していたが、「裏の裏を知っているジャーナリスト」たちの自慢大会になっては困る。
事情通の人たちが数人集まって行う討論会ではよく起こる現象だ。
どの年齢層のどんな人たちにメッセージを届けようとしているのか、分かりにくい番組になってしまっていたのが少し気にかかる。
パックインジャーナルは、善くも悪くも愛川欽也さんという、大いなる素人さんが司会だったことで、かろうじて自慢大会や意見の述べ合い大会が回避されていたのだから。
ともあれ、こういうメディアがつくられたのは画期的なのだから、喜ばなくては。
小出さんのインタビューは知りたいことが分かって、たいへん良かった。しかし聞けば聞くほど途方も無い福一の現場なのだが。

さて、今年も富岡町の夜ノ森の桜が咲いたと、浜通り法律事務所の渡辺淑彦弁護士がつぶやいている。
今年は富岡町の人々がバスを仕立てて、夜ノ森桜ツアーを計画していると郡山の知人が言っていたが、ぜひとも実現をして欲しいものだ。
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2013.4.6

2013年4月6日 土曜日

震災後、いちばん変わったことは、週末に東京に居ることだ。
ここ10年ぐらい、週末は軽井沢で過ごすことが多かった。
金曜日の閉診後に新幹線に飛び乗って軽井沢の人となり、日曜日の終電か月曜の始発で東京に戻る。
週末の軽井沢は、わたしにとって大切な時間だった。ぐっすり眠り、自然の恵みを食する。

震災後、線量計を買って色々なところを測ってみたら、軽井沢のマンションの窓の外に超ホットスポットがあることが分かった。
その瞬間、何ものかに、ふいに背中から刃物で斬りつけられたような鋭い痛みを感じた。
すぐさま軽井沢の町役場に除染を掛け合い、近所のなじみの店などに事実を知らせた。

結果的には、役場の対応も町の人の対応もホットスポットの存在を黙殺した。
放射線の値だけなら福島市の信夫山の第二駐車場にあった落ち葉と同じぐらいだったのだが、軽井沢ブランドはそれを決して認めはしなかった。
そこで小さくはない分断も起こってしまった。もちろん福島で起こったことに比べれば、取るに足りないことだが……。

昨夏から金曜日の閉診後に官邸前のデモに行くようになった。
官邸前でデモが終わってから長野新幹線に乗るというのは、これが思ったよりギャップが大きかったこともある。
そんな週末を何度か過ごしているうちに、いつの間にか厳しい冬になってしまった。ますます軽井沢は遠くになっていった。
とはいえ、東京の我が家は隅田川の畔にあって、東京都内でも有数の線量の高いところでもあるのだが。

さてと。そろそろ軽井沢でも桜がふふんできただろうか。
色々な用事も溜まっているので、久しぶりに行ってみようと思っていた矢先、メイストームか来て結局、東京に足止めになってしまったという4月始めの土曜日だ。
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2013.4.5

2013年4月5日 金曜日

金曜日のバタバタした外来の最中、仲良しの高校の後輩Y子がやってきた。
彼女は実業家で実にユニークな人なのだが、原発に対する考え方や社会への思いに共通のものがある。
しかも、世界の歴史や世界の経済状況など、実に的確な意見をもっている。頼りになる後輩なのだ。

そこで本日の彼女への質問は「ねね、昨日の日銀総裁は何言ったの?さっぱり分からないから教えて?」である。
なにしろ昨晩のニュース、どれを見てもさっぱり意味が分からなかったからだ。
彼女は一瞬考えてから、簡単明瞭に語りだした。

Y「ザックリ言うとね、今から日本も偽札をジャンジャン刷ります。じゃぶじゃぶとお金を市場に出します。だから皆さん使ってね、ってこと」
M「ふ〜ん。だって今までだってやってたじゃない、量的緩和っていうの」
Y「黒田氏はね、チマチマじゃなくて、思い切って今までの2倍、ニセ札を刷りますって言ったのよ」
M「え?ニセ札なの?じゃぁ、いつかは必ず破綻するじゃない?」
Y「必ず破綻するのよ。だって実態経済以上にお札を刷るんだもの。今はアメリカが5倍、ヨーロッパは3倍、ニセ札を刷っているの。日本だけ2倍しか刷ってなかった。それをこれから4倍にするっていう話し」
M「そんな詐欺話を言っただけで、こんなにも株価が上がっちゃうもんなの?」
Y「そうよ、だって気分だもの、株式市場なんてものは」
M「でもさ、そんなカネあったら、福一原発につぎ込まないと今の日本はダメでしょうが。福一に持ってって欲しいよ」
Y「それは無いのよ。ジャンジャン刷って、回すだけ回したらあとは破綻が待ってる。とてつもない大博打だけど4〜5年は持つかもよ」
M「4〜5年もアベノミクスは持っちゃうの?じゃ、消費税上がって日本は壊れちゃうよ」
Y「そうそう、中小零細は完全に立ち行かなくなる。でも安倍ちゃんの階層は保たれるってわけなのよ」

彼女の説明はものすごくストンと腑に落ちた。
そんな金融緩和をして、いったい日本はどこへ行くつもりなのだろうか。今日も福島第一原発では汚染水の漏洩事故があったばかりだ。
やがてバブルがはじけた時、いやその前に、憲法が変わり、戦争に走るしか道がなくなりはしないだろうか。
戦争という名の最大の消費行動以外に、実態経済が動かなくなる日が来ないように、だから十分留意していかなければならないことは分かったのだけれども……。
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2013.4.4

2013年4月4日 木曜日

久々の青空だ。
空が青いというだけで、少し気分が軽やかになるオカマの日だ。
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2013.4.3

2013年4月3日 水曜日

朝から嵐となった3日。春の嵐だ。
以前から5月にはメイストームといって、よくこんな嵐があったが、ここのところ極端な嵐模様が増えているような気がしてならない。
いったい何が原因なのだろう。ともあれ。

こんな突風が吹くと、福島第一原発はどうなっているのか、心配で心配でならない。
この風雨の中、慣れない作業員が慣れない作業をしているのだ。
作業環境も過酷だが、それ以外の宿泊や飲食など、不自由な現状が漏れ聴こえてくる。

「砂上の楼閣」という言葉がある。
たった今のこの国は、「薄氷の上のメルトダウン炉」なのだと思えてならない。

原発作業員の人々の待遇をぜひ向上させて欲しい。
それこそが「薄氷の上のメルトダウン炉」であるこの国を支えている基盤なのであるから。
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