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世界的に株価が上昇している。
テレビのニュースでは、アベノミクスによる景気回復の兆しと2020年の東京オリンピック誘致と震災から丸2年特集とが、同時並行的に流されている。
東京の永田町で、国会で、日銀で、霞ヶ関で、兜町で、都内のホテルの宴会場で起こっている景気云々の話しと、
東北の南相馬で、飯舘村で、川内村で、郡山で、陸前高田で、石巻で、気仙沼で暮らしている人々の話とは、違う時代の違う惑星ほどかけ離れてやしないだろうか。
巨大マネーの話で復興話なんか吹っ飛ぶ毎日だ。
私たちの国は、かつてないほどの大きな地震が起き、原発が壊れ、放射線が撒き散らかされた。人々は逃げ惑い、暮らしは破壊され、尊厳は踏みにじられた。こんなことになろうとは思ってもみない事がおこってしまったのだ。大きな津波によって、二万人近い人々が亡くなりもした。
それはまるで、日本だけが戦争に巻き込まれたかのような状況なのだ。いつ終わるとも分からない戦争状態の日々……。
それなのに政府はカネだといい、マスコミもカネカネカネと応える。
どうして景気回復が優先なのだろうか。被災地の子どもたちの安全や復興よりも大事なものが他にあるとでも言うのだろうか。
何時からこの国は、これほどまでに守銭奴のような醜い大人たちが舵を取るようになったのだろう。
ほとほと無力感を感じる3月7日だ。
朝から春の麗らかな陽気になった。
昼休み、近所の画廊で個展を開いている安藤栄作さんを訪ねた。
311は福島県いわき市で被災。津波で家財の全てと作品の全てを失った彫刻家だ。
現在は奈良県天理市に移住し、精力的に創作をされている。
Facebookで出会ってから、ずっと安藤さんとはお会いしたかった。
果たして、たいへん真っすぐな福島原発問題についての意見を交換することができた。
安藤さんと話をしていて、改めて、自分たちに課せられたものを感じた。
いま福島原発の周囲、中通りや北関東の高線量地域で起こっていることから決して目を逸らす訳にはいかない。それは私たちの世代が、きっちりと「カタ」をつけなければならない事だからだ。
お互いに確認し合って安藤さんと分かれた午後だ。